【小山】21日投開票の市長選を前に、下野新聞社はいずれも無所属で元市議会議長の新人小川亘(おがわわたる)氏(56)と再選を目指す現職浅野正富(あさのまさとみ)氏(67)に6項目のアンケートを行った。市の最重要課題について、小川氏は「中心市街地活性化」などを訴え、浅野氏は「農村地区の人口減少対策」などを挙げた。
小川氏は「中心市街地活性化」に加え、「地域完結型医療の確立」を最重要課題として強調。市の立地利便性を生かすとともに医療の充実を図り、人や企業を呼び込む考えを示した。
浅野氏は「農村地区の人口減少対策と0歳児から青少年までの居場所の確保・子育て支援」と回答。都市と自然環境のバランスを維持するため、特に市街化調整区域である農村地区の人口減少を危惧した。
人口減少対策で、小川氏は「働く環境の充実」を主張。学習環境の充実も図り、若い世代が生活しやすい中心市街地の整備を目指す。浅野氏は「空き家に移住する子育て世帯の優遇」を挙げる。人口減少が顕著な農村地区の空き家に移住する子育て世帯に家賃補助等の優遇を行うとした。
中心市街地活性化では、小川氏が「大規模避難所の機能を備えたコンベンションセンター整備」とし、駅利用者など市外居住者の利用も促し、にぎわいのある街を目指す。浅野氏は「コミュニティー活動のための複合施設・広場の整備」を訴え、歩いて移動しやすい住環境の整備に力を入れる考えを強調した。
1994年に開業し、老朽化が進むJR小山駅西口の再開発ビル「ロブレ」の将来像では、両者ともに廃止や解体などの方向性を示した。渡良瀬遊水地の利活用に関しては小川氏が「環境と治水の調和」、浅野氏は「湿地の再生と治水機能の向上」を掲げた。