ふたを開け、センスの良さに思わず声が出そうになる「松花堂弁当御膳」(1650円)。風情ある店構えを象徴する逸品だ。
ご飯は生落花生に刻んだ新生姜(しんしょうが)の炊き込み飯。刺し身はタイとマグロで、口取りはひじきと壬生の特産かんぴょうにわさび、マグロの筋を素揚げした煮物、ヤマモモなどが添えられる。
サバの焼き魚、アジの大葉巻とトウモロコシの天ぷらにみそ汁とおしんこ、最後は時季によって変わる赤じそのアイスがデザートに付く。どれも旬のおいしさを詰め込んだ御膳だ。
創業は1974年。壬生町でも老舗の日本料理店として知られる。店主の篠原和彦(しのはらかずひこ)さん(50)は大学を卒業し料理の専門学校に通った後、京都の老舗料亭、京都吉兆で修業。先代の父親富男(とみお)さんの後を継ぎ2代目店主となった。「旬の一番おいしい物を月替わりで提供します」と料理人の心意気を見せる。
母親の真美(まなみ)さん(76)が発案したランチの「わっぱめし」(1300円)も人気。時節柄、50年の足しだれで焼く「うな重」(3300円~)の注文も多い。全国の貴重な日本酒約50種類も用意しており、飲み比べるもよい。
▼メモ 壬生町壬生丁203の4。午前11時半~午後1時半、午後5~8時。宴会などは要予約。日曜、祝日定休。(問)0282・82・3870。