真瀬宏子氏

 現職の町長であると同時に、洋画家としての横顔も持つ。「自分の心をストレートに表現できる」と抽象画を中心に描き、個展は県内や東京・銀座などで計33回を数える。

 前町長が不祥事により辞職したことに伴う2008年の町長選に周囲に推され立候補し、初当選。62歳での転身だった。政治は全くの素人だったが、美術と一脈相通ずる部分があると感じた。

 「絵は一つのキャンバスの中で、色や構図のバランスがとれていなくてはいけない。政治もバランスが欠かせないのではないか」

 目指したのは、町民との協働のまちづくりだった。そのためにも「役場の窓口は常にお客さま目線」であることにこだわった。

 集大成となる5期目の公約集には、子育てや教育などの施策に加え、「芸術活動を支援」「アートで町おこし」などの文字も躍る。

 余暇のストレス解消法はピアノ演奏。「モーツァルトとドボルザークがお気に入り」という。丸林に夫と2人暮らし。