【野木】任期満了に伴う町長選は4日の投開票まであと2日となり、終盤戦に入った。いずれも無所属で、5選を目指す現職真瀬宏子(ませひろこ)氏(78)=自民、公明推薦=が知名度と組織力を生かしてリードし、元町議会議長黒川広(くろかわひろし)氏(74)、新人の元町議会副議長舘野崇泰(たてのたかやす)氏(49)、元県職員伏木徹(ふせぎとおる)氏(55)が追う展開。真瀬氏の多選の是非が争点となる中、批判票は新人3人に分散している形だ。
真瀬氏は自民党の佐藤勉(さとうつとむ)衆院議員ら地元選出国会議員や県議のほか、町議の大半から支援を受け盤石な態勢。ただ前回が無投票で選挙戦は8年ぶり。「組織の高齢化と多選批判が懸念材料」(陣営幹部)と危機感を強めている。
黒川氏は真瀬氏への多選批判を背景に「町政に新しい風を」と訴え、駅周辺での街頭演説を重ねて移住者を中心に支持を拡大している。民間企業で培った経験や水害対策などを強調し、思川沿岸部の住民への呼びかけも強めている。
舘野氏は町議2人の支援を受け「公共事業費の適正化」などを訴えて支持拡大を進めている。世代交代や多選批判を意識して「町の鮮度を高めたい」と強調、「JR野木駅周辺の活性化」を政策の柱として中心市街地に浸透を図る。
伏木氏は立候補表明が告示日の約3週間前だったこともあり、知名度向上に躍起だ。野木駅西口に選挙事務所を構え「合併大反対!」を強調。積極的に町内を遊説して子育て支援充実などを訴え、無党派層や若年層への浸透を図っている。
一方、7月の小山市長選で現職の再選に大きく貢献した立憲民主党の藤岡隆雄(ふじおかたかお)衆院議員は中立の立場で選挙戦を見守っている。
投票率は猛暑の影響もあり、陣営の多くは50%以下と予想する。前回は無投票、前々回は46・55%で過去最低。昨年の町議選は47・70%だった。