【小山】又吉直樹(またよしなおき)さんの芥川賞受賞小説「火花」の表紙画を手がけた市出身のアーティスト西川美穂(にしかわみほ)さん(35)の個展が3日、中久喜のイオンモール小山2階にある未来屋書店横のイベントブースで始まった。8日まで。
出展作で注目されるのは、「火花」の装丁の原画となった油絵「イマスカ」。自身が毛布の中で膝立ちしている様子をセルフタイマーで写真撮影して描いた。「そこに人がいるのかいないのか」と不思議な気持ちになったのが制作のきっかけだったという。
このほか市制70周年を記念して市に寄贈した「光」、地元・間々田にある思川の桜並木を題材にした「思川桜」など計50点を公開している。西川さんは市内で個展を開くのは初めてで「地元で作品を見てもらうことができて感慨深い。今後もさまざまな形で皆さんに還元したい」と話した。
個展はアートによる市の観光資源創出に取り組んでいる市地域おこし協力隊員の横山賢(よこやまけん)さん(40)と同書店が主催。3日は、西川さんのレクチャーを受けながらプロ仕様の水彩絵の具や用紙を使った表現方法を体験してもらうワークショップも行った。
下野市祇園小4年渡辺美奈(わたなべみな)さん(9)は「使ったことのない材料でいろいろと描く体験ができて楽しかった」と笑顔を見せていた。
個展は午前10時~午後6時(最終日は3時)。入場無料。