【栃木】国学院大栃木短大が今春開講した産官学の地域連携授業「いちご学」の公開講座がこのほど、境町の国学院大栃木学園教育センターで開かれ、県内外の受講者約50人がイチゴを多面的に学んだ。
いちご学はイチゴを食としてだけでなく、歴史、文化まで座学と体験で学ぶオムニバス形式の授業。成果を市民にも知ってもらおうと、公開講座を企画した。
県いちご研究所(大塚町)の家中達広(いえなかたつひろ)所長が、「いちご王国」である理由を基調講演。谷中農園(惣社町)の谷中正幸(やなかまさゆき)さん、授業を担当する真田知恵子(さなだちえこ)准教授(食物学)とパネルディスカッションを行った。
家中所長は一層の消費拡大を望み、「新品種開発のためどんなイチゴが食べたいか聞かせてほしい」と求めた。授業で学生を受け入れた谷中さんは「農家の仕事は栽培だけでなく、販売戦略などもある。文系の違った視点の人にも携わってもらいたい」と期待した。
真田准教授は「いちご学で生まれた連携を地域へ還元したい」と語った。続いて受講者は歴史、文化、生産、染め物の各講義を選択し、イチゴへの理解を深めた。