那須、栃木の両特別支援学校寄宿舎の問題を巡り、県教委は19日、閉舎時期を2024年度末に正式決定した。保護者らとの意見交換会で説明を重ねるなどして、一定の理解が得られたと判断したという。障害の有無にかかわらず地域社会で共に学ぶ教育の実現を目指すなどとしている。
この日の教育委員会臨時会で、寄宿舎閉舎を含めた「特別支援教育の充実に向けた方針」が決定された。阿久澤真理(あくさわしんり)県教育長は臨時会後の記者会見で特別支援学校の設置が進んだことなどを挙げ「(寄宿舎は)通学保障の役割をおおむね終えた」と説明した。寄宿舎の老朽化にも触れた。
今後、通学困難な児童生徒向けにはスクールバスを配備。両校の寄宿舎指導員は別の特別支援学校に配置する。
県教委が7月行った保護者アンケートでは、共生社会の実現に向けた視点や取り組みも示した「特別支援教育の充実に向けた方針」のたたき台について、回答者の約9割が「良いと思う」「おおむね良いと思う」と答えたという。
寄宿舎を巡っては、県教委が21年に23年3月末での閉舎を発表したが、存続を求める保護者らの反対を受けて延期。有識者検討会が24年3月、「発展的解消が適当」などとする報告書を県教委に提出していた。