栃木県内は24日夕方、南から湿った空気が流れ込んだ影響で大気が非常に不安定になり、局地的に激しい雷雨に見舞われた。宇都宮地方気象台によると、1時間の雨量は宇都宮が98.5ミリを観測し、同気象台が統計を開始した1930年以降で歴代2位の記録となった。県内では電車の運転見合わせや停電、冠水による車両水没、日光と鹿沼の両市で固定電話の回線が利用できなくなるなど、インフラに影響を及ぼした。
宇都宮の98.5ミリは57年8月の100.5ミリに次ぐ記録だった。1時間あたりの雨量は宇都宮に次いで、高根沢53ミリ、真岡48.5ミリ、鹿沼47ミリを観測した。
NTT東日本によると、落雷の影響で鹿沼、日光の両市で午後9時現在、固定電話の約1万7千回線が利用できない、または利用しづらい状況が続いている。両市の警察署や消防本部に電話が繋がらないなど支障が出ている。
JR宇都宮線と同烏山線、東武宇都宮線は落雷による信号トラブルや倒木で、一部上下線で運転を見合わせ、計約4300人に影響した。次世代型路面電車(LRT)の宇都宮芳賀ライトレール線も宇都宮市陽東地区の道路冠水などで一時全線の運転を見合わせた。県によると、宇都宮市で床上浸水が1件あった。
同気象台は、25日も県内全域で夕方から1時間あたり50ミリの雨が降る可能性があるとしている。