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大雨の影響で冠水したトマト栽培のハウス=26日午後2時30分、塩谷町大宮

 「記録的短時間大雨情報」「線状降水帯」―。25日深夜から26日未明にかけて局地的な豪雨に見舞われた県内は夜が明け、各地で災害の爪痕があらわになった。鹿沼市では山が崩れ、伐採された木々が土砂と共に民家を襲い、塩谷町では出荷を前にした農作物がビニールハウスの中で泥水にまみれた。突如襲ってきた自然の猛威に被災者らは途方に暮れた。

 「ガガガ―」。26日未明。鹿沼市引田の自宅で眠れずにいた農業福田茂男(ふくだしげお)さん(71)は、言い知れぬ不穏な音を耳にした。「やばい。逃げろ」。瞬時にそう感じ、外に出て懐中電灯で辺りを照らすと、自宅裏山の一部が崩落。室内には隙間から土砂が流れ込み始めていた。