25日夜から26日未明の局地的な大雨の影響で、わたらせ渓谷鉄道(わ鉄)の全線復旧が、早くても9月中旬ごろになる見通しであることが27日、同鉄道への取材で分かった。線路に大量の土砂が流入したため、間藤駅(日光市)-神戸駅(群馬県みどり市)間で運転を見合わせている。復旧には大規模な工事が必要という。
同鉄道によると、土砂の流入は県境がある原向駅(日光市)と沢入駅(群馬県みどり市)間の3カ所で確認した。このうち1カ所は幅約25メートルで、線路を支える基礎の路盤も流された。
同鉄道は土砂の搬出の他、路盤の修復工事に時間を要すると判断した。間藤駅-神戸駅間は当面、運休となる。バスなどの代行輸送は行わない。31日と9月1日に予定していた「トロッコわたらせ渓谷号」は、運行区間の大間々駅-足尾駅間で運休する。同鉄道の担当者は「1日も早い復旧を目指す」した。
一方、県は27日、大雨被害について鹿沼市で床下浸水が1棟増え、4市町の床上・床下浸水は計22棟になったと発表した。国県道の交通規制は全て解消。鹿沼、那須塩原、壬生、野木の4市町の一部道路では交通規制が続いている。
県と9市町は27日までに災害警戒本部を解散。一方、鹿沼市は災害対策本部を継続し、住民支援や被害状況の確認を続けるとしている。