加藤社長(右)にコメを引き渡す佐藤組合長(中央)=28日午前、宇都宮市

 JAうつのみや(佐藤俊伸(さとうとしのぶ)組合長)は28日、オーストラリアに輸出するブランド米「みやおとめ」の出発式を宇都宮市上籠谷(かみこもりや)町の宇都宮東部選果場で行った。同JAによるコメの輸出は初めて。

 輸出はコメの販路拡大やブランド力の向上により、組合員農家の所得向上を図るのが狙い。同JA関係者の知人が輸出商社の現地法人にいた縁で、オーストラリアへの輸出が実現した。

 「みやおとめ」は同JA管内で生産したコシヒカリのうち、等級が1等以上、食味値が75以上の厳選されたコメ。今回は2023年産の540キロを輸出する。東京都の大井埠頭(ふとう)に運んだ後、コンテナ船でオーストラリアへ輸送する。年内には現地の日本食レストランや日系スーパーなどに提供される見込み。

 出発式には関係者約30人が出席し、佐藤組合長がトラック輸送を担う河内運輸の加藤隆行(かとうたかゆき)社長へコメを引き渡した。

 佐藤組合長は「コメの不足感が強くなっているが、この事業は昨年来検討してきたもので長いスパンで対応すべきだと考えている。今回ははじめの一歩に過ぎないが、大切に育んでいきたい」とあいさつした。