ソフトラスク

焼き上がったソフトラスクをチェックする藤原さん

ソフトラスク 焼き上がったソフトラスクをチェックする藤原さん

 国道4号を東に入った静かな住宅街にたたずむ洋菓子店。オレンジ色と茶色に統一された内装が、落ち着いた雰囲気を醸し出す。

 焼き菓子で一番人気の「ソフトラスク」(280円)は、約6年前に近くの実家兼店舗から移った際、新たな名物として考案した。デニッシュ生地にバターキャラメルのつけ液を染み込ませて焼いたクロワッサンラスクを口に含むと、通常のラスクとは一線を画すしっとり感に驚く。

 オーナーパティシエの藤原孝昌(ふじわらたかあき)さん(51)は「好物のしみせんべいを洋風にできないかと試行を重ねた」と説明する。「香りの余韻をより長く楽しんでもらいたい」と、やや甘めの味付けにもこだわった。

 パティシエになって約30年。創業者の父勲(いさお)さん(81)からもらった「どんなに作り慣れても一つ一つ心を込める気持ちを忘れてはいけない」という教えを今も守り続ける。全国的な洋菓子コンテストに積極的に出品し、入賞を続けるなど、新たな取り組みも欠かさない。

 「洋菓子の魅力とは」と尋ねると、「一瞬で人を笑顔にできるパワーを持っている」と、きっぱり言い切った。

 ▼メモ 小山市八幡町2の2の1。午前10時~午後1時、午後2~6時半。水曜定休、月1回不定休。(問)0285・25・3904。