今月も厳しい残暑が続いている。2024年夏(6~8月)、県内では各地で35度以上の猛暑日を相次いで記録した。気象庁の統計開始以来、県都・宇都宮はどれだけ気温が上昇しているのか。下野新聞は公開されている過去の気象データを使って、夏の観測が始まった1891年から2024年までの宇都宮の「夏の日平均気温」を可視化した。この134年間の変化を見てみよう。
抽出したのは、気象庁がホームページで公開している日平均気温のデータ134年分(計1万2328日)。一目で気温の違いが分かるよう、色で可視化したグラフ「ヒートマップ」でデータを表現した。気温が低いほど青が濃くなり、高いほど赤が濃くなっている。
例えば6月を見比べると、1891年から1900年代にかけては、17・4度以下を示す「濃い青」が比較的目立ち、近年になるほど減少している。
逆に26・0度以上を示す「濃い赤」は年々増加し、近年は7月に入ると、どんどん“真っ赤”になってきているのが読み取れる。
■134年で4度上昇
気象庁のデータから算出した宇都宮の夏の平均気温は1891年が22・0度、2024年が26・1度で、この134年で4度ほど上昇したことになる。
宇都宮地方気象台の中根秀行(なかねひでゆき)気象情報官は、地球温暖化と観測所周辺の都市化を背景に「過去100年間のトレンドでみて、宇都宮の平均気温は上昇傾向にある」と説明する。
では猛暑日はどれくらいあったのか。夏の猛暑日数を比べると、1891年は皆無だった。これに対し、2024年は17日に上り、23年(22日)に次いで史上2番目に多かった。
今夏の酷暑の要因について、中根気象情報官は「暖かな高気圧や高い海面水温の影響に、地球温暖化が拍車をかけた」と指摘した。
■佐野も暑くなっている
7月29日に全国観測史上3位タイとなる41・0度を記録するなど、暑さで知られる佐野の平均気温の推移も気になり、調べてみた。
佐野の観測が開始されたのは1978年。それから2024年まで47年分(計4324日分)の夏の日平均気温をヒートマップにまとめた。
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