那須町南東部、本県と福島県を結ぶ国道294号沿いに「道の駅東山道伊王野」はある。山々や田園風景を望め、近くに三蔵川が流れる自然豊かな立地。敷地内に遊歩道も整備され、観光客は休息の場、地元住民は散歩など憩いの場として利用する。運営会社の代表取締役の三森忠一(みもりちゅういち)さん(73)は「田舎の原風景を味わえる道の駅」と表現する。
1999年、伊王野地域の住民らが出資し現在の運営会社の前身「東山道伊王野ふるさと物産センター組合」を設立。翌2000年10月に開業した。「始まりから地域の人たちが積極的に関わっている道の駅」と三森さんは強調する。
メイン施設の「物産センター」のほか、そば処「水車館」、和食を提供する「あんず館」と二つの食事処を持つ。同地域で最も大きな祭りで使う屋台を常設展示する「伊王野まつり伝承館」もある。どの施設も瓦屋根で統一され、伝統的な日本の風情を感じさせる。
三森さんの「そばがここの一番の魅力。地元産の食材を手打ちで提供するなどこだわっている」との言葉を聞き、水車館に向かった。店内に入ると、窓の外の水車に目を奪われた。直径12メートルと同5・6メートルの2基は道の駅のシンボルとして長年親しまれてきたそうだ。
現在は老朽化に伴う付け替え工事中のため回っていないが、25年1月までには完了予定。来春には、そばを味わいながら水車の回る姿を楽しめるという。
道の駅内の茶屋では、そば粉を使ったオリジナルの「そばソフトクリーム」も味わえる。しっかりとそばの風味があり、想像以上の相性の良さに驚いた。
物産センターでは、地元農家が毎朝収穫した新鮮なナスやキュウリなどの野菜が並ぶ。三森さんは「駅からの風景と地元産の食材を使った料理を満喫してほしい」と呼びかけている。
【メモ】那須町伊王野459。物産センター午前8時半~午後5時。水車館午前11時~午後4時。あんず館午前11時~午後3時。年始休業。(問)0287・75・0653。