返還を受け、新たな活用事業者を募集する「旧教育委員会」

 【栃木】市は26日の市議会議員研究会で、市が所有する万町の国登録有形文化財「旧教育委員会」の建物などについて、賃貸借契約を交わしていた事業者が無断転貸をしていたため契約を解除し、7月末に返還を受けたことを明らかにした。10月から新たな活用事業者を公募する。

 「旧教育委員会」は1934年に足利銀行栃木支店として建設された木造平屋約111平方メートルの建物。後に旧栃木市の教育委員会庁舎として使用された。ヒット映画「ALWAYS 三丁目の夕日」の撮影が行われたことでも知られる。

 市は市街地活性化のため活用事業者を公募し、2008年度から城内町2丁目でうなぎ店を営む「釜屋(かまや)」に貸し出した。同社は洋食店をオープンし、賃料の引き下げも経て、22年度まで再契約を締結していた。

 19年10月から別の洋食店となったが、同社は「会社の一店舗」と市に説明していた。しかし22年12月までに、実際には18年11月から別の事業者へ厨房(ちゅうぼう)などの利用料を上乗せした賃料で転貸していたことが判明。この事業者が退去する猶予期間として、ことし3月末まで新たな定期借家契約を締結したがずれ込んでいた。

 市は飲食店か地場産品などの物販を対象業種として、新たな事業者を公募する。来年7月ごろの開店を見込んでいる。