総合優勝した若林さん

 【佐野】前身の大会から名称を変更した「第1回越名舟唄(こいなふなうた)全国大会」が29日、あくと町の葛生あくとプラザで開かれ、宇都宮市西川田町、大学生若林友希(わかばやしゆうき)さん(19)が総合優勝に輝いた。

 越名舟唄は江戸~明治時代に、佐野市越名町の越名河岸から渡良瀬川や利根川などを通って江戸を行き来した高瀬舟の船頭が口ずさんだ民謡。1998年から「佐野の越名舟唄全国大会」として毎年実施していたが、2020年から新型コロナウイルスの影響で中止が続いた。5年ぶりの開催に合わせ、再出発の意味も込めて名称を変更した。

 今大会には県内外から熟年の部(80歳以上)43人、一般の部(12~79歳)87人の計129人がエントリー。出場者らは着物や法被を着て、舟をこぐ音を再現する楽器「櫓(ろ)」と尺八の伴奏に合わせて熱唱した。両部門から計20人が選ばれ、決勝戦を行った。

 前身の大会を含め、初出場で栄冠を手にした若林さんは「15年間民謡を教えてくれた師匠の益子重介(ますこじゅうすけ)先生に感謝している。若い世代に民謡の魅力を伝えていきたい」と喜んでいた。