学園祭のフィナーレで記念撮影する参加者

 【栃木】栃木青年会議所(JC)と県内の高校生12人はこのほど、学悠館高などで、学校の垣根を越えた文化祭「やっちゃえ青春学園祭」を初開催した。新型コロナウイルス禍に翻弄(ほんろう)された高校生を高校生の力で元気づけることが目的。会場ではアートの展示やワークショップ、県内外からアイドルやバンドが出演するステージなど多彩な催しが行われ、多くの来場者でにぎわった。

 同JCが取り組む青少年育成事業の一環で、今年は新型コロナウイルス禍の影響で小中学生時代に多くの学校行事が制限された高校生が主体のイベントにしようと企画。5月の大型連休明けから交流サイト(SNS)などで運営メンバーを募集したところ、栃木翔南高、国学院栃木高、栃木女子高、栃木商業高、栃木農業高、佐野日大高から計12人が集まった。

 12人は文化、経済、エンターテインメントの3部門に分かれてイベントの内容を検討。部活や塾などと両立しながらの活動は苦労も多かったが、JCメンバーと協力しながら約2カ月かけて準備を進めてきた。

 当日は、絵の具などを使って参加者と作る縦3メートル、横6メートルの巨大現代アートやフォトスポットの展示、レジンを使ったアクセサリーのワークショップや県内のアイスクリーム店などとコラボした商品の販売などを行った。

 ステージでは、地元から新たなエンターテイナーを生み出そうと英国の人気オーディション番組を模した「蔵の街ゴット・タレント」を開催。県内外から参加した計6組が歌やダンスを披露し、ご当地アイドル「とちおとめ25」らが審査員を務めた。フィナーレでは足利南高の生徒によるバンド「0s(レイズ)」の歌唱に合わせて、国学院栃木高書道部が書道パフォーマンスを披露し、会場を盛り上げた。

 栃木翔南高1年中原(なかはら)ヒカリさん(16)は「先生たちの指示でなく、自分たちがやりたいことを提案し実践していく過程で学校の垣根を越えたつながりができた」と笑顔。同JCの柴崎萌希(しばざきもえき)実行委員長(30)は「高校生たちの発想には終始驚かされた。一から創り上げる楽しさを知ってもらえたと思う」と話した。