茂木町中心部にある八雲神社の御朱印が面白い。墨と朱墨による従来の御朱印に加え、ヒガンバナやヤエザクラ、ロウバイなどのイラストが入った色とりどりの御朱印を作成。それらの着色は神職を務める小堀真洋(こぼりまさひろ)宮司(51)の妻あや子(こ)さん(51)が作る「消しゴムはんこ」で施されている。これまで出してきた御朱印は60種類以上。素朴な味わいで町の魅力を伝え続けている。

ヒガンバナの御朱印。年々改良が加わり彩りは増した
ヒガンバナの御朱印。年々改良が加わり彩りは増した

 同神社では2010年代後半の御朱印ブームが訪れる前から、同神社に加え兼務する御嶽神社(茂木)、近津神社(坂井)、たばこ神社(小井戸)の御朱印を扱っていた。どの神社も八雲神社から徒歩圏内で、小堀宮司には「町内には風情ある場所がたくさんある。散策しながら巡ってほしい」との思いがあった。

 その後、ブームが到来。2018年9月、“カラー化”の第1号として赤いヒガンバナのイラストが入ったものを作った。当初は手描きで絵を入れようと考えたが、クオリティーに差が出てしまうことや時間がかかり過ぎてしまうことが課題に。そこで小堀宮司夫妻が思い付いたのが消しゴムはんこだった。

「消しゴムはんこ」を使った御朱印を手がける小堀宮司夫妻
「消しゴムはんこ」を使った御朱印を手がける小堀宮司夫妻

 あや子さんの消しゴムはんこ歴は長い。手先が器用で、小学生の頃から消しゴムに絵を彫っていた。それから40年以上、折を見てはんこを作り続け、既に腕前は素人の域を超えている。「図案も写真や切り絵などを参考にしながら作っている」とあや子さん。

 消しゴムはんこを使った御朱印は進化を続けた。