下今市駅で行われた「引継ぎ式」

 JR東日本高崎支社や東武鉄道、わたらせ渓谷鉄道などはこのほど、各社の列車を乗り継いで栃木、群馬両県を周遊する東京発の日帰りツアーを初めて実施した。鉄道ファンら32人が各社の人気列車を満喫する鉄道の旅を楽しんだ。

 ツアーは午前7時にJR東京駅を出発し、群馬県に向かった。高崎駅からは電気機関車「ELぐんまきりゅう」に乗り換え、両毛線からわたらせ渓谷鉄道に乗車。足尾駅に到着後はバスで東武鉄道下今市駅へ移動し、SL大樹(たいじゅ)で鬼怒川温泉駅に向かった。帰りは特急「スペーシアX」で都内に戻った。

 ツアー中は高崎駅で旧第1種継電連動装置表示板の見学や車内での各社社員のトークショー、昼食などが行われた。下今市駅では「SL引継(ひきつ)ぎ式」と題し、「タブレット」と呼ばれる通行証と区名札、石炭の引き渡しが行われた。

 下今市駅の斎藤清弘(さいとうきよひろ)駅長は「また足を運んでもらえるような、次につながるツアーになった」。JR東日本前橋統括センターの人見紀彦(ひとみのりひこ)所長は「各社の連携を強めることで、SLや鉄道の魅力を伝えていきたい」と話した。