県は28日、トマトなどに被害を与える南米原産の害虫「トマトキバガ」が県内で初めて確認されたと発表した。幼虫が葉や果実を食べるため、収量が減少するという。県は植物防疫法に基づく「病害虫発生予察特殊報」を出し、生産者に注意を呼びかけている。
県農業総合研究センターによると、トマトキバガは体長5~7ミリほどの小型のガで、繁殖力が高く国の侵入警戒有害動植物に位置付けられている。国内では2021年に熊本県で初確認されて以降、本県と山梨県を除く45都道府県で見つかっていた。
今月上旬、同センターが本県への侵入を警戒するために栃木市と芳賀町に設けたトラップにかかり、16日、農林水産省が同定した。その後、宇都宮市でも見つかっているという。本県での農作物被害は確認されていない。
トマトキバガは主にナス科のトマトやジャガイモ、ナス、マメ科のインゲンマメなどに寄生する。同センターは「ほ場をよく見回り、疑わしい虫を見つけたら最寄りの農業振興事務所に連絡してほしい」としている。