大嶹商舎の事務所とみられる建物(後方)の解体に当たって、駆け付けた子孫ら関係者=2014年7月、宇都宮市石井町

 もしかしたら世界遺産に登録されたかもしれない製糸場が宇都宮市内にあったことをご存じだろうか。世界遺産に登録された群馬県富岡市の富岡製糸場の創業から1年早い1871(明治4)年にできた旧石井村の製糸場「大嶹(おおしま)商舎」だ。生糸の品質は富岡製糸場産を上回り、世界を席巻した。幻の世界遺産の面影を追った。