小山市内の道の駅思川などに設置されている自動販売機で、2千円を投入すると黒毛和牛の冷凍肉がランダムで出てくる「肉ガチャ」を10月初めに紹介した。X(旧ツイッター)で、「1万円を超えるようなシャトーブリアンが当たった」という夢のような投稿を見かけたのがきっかけだった。

 あれから3カ月。家族連れの購入が急増するという年末年始を迎えた。自販機を設置した食肉専門店「相沢商店」(小山市宮本町3丁目)代表の相澤英之(あいざわひでゆき)さん(45)によると、昨年の今ごろは夜通しで肉を切っていた。今年もかき入れ時かなと思いつつ連絡すると、相澤さんは「おかげさまで順調。これからさらに忙しくなるのを覚悟しています」と笑いながら話してくれた。

「肉ガチャ」を楽しめる自動販売機
「肉ガチャ」を楽しめる自動販売機

 記事では、東京・浅草にも「肉ガチャ」の自販機を設置する予定であることを紹介した。実際、和牛好きのインバウンド(訪日客)の需要を見越し、11月中旬に雷門の周辺に設置した。狙いは見事に的中。売り上げは順調で、「日本人はやることがすごい」と驚く外国人は絶えないという。全国系列の民放からの取材も入り、注目度はさらに高まりそうだ。

 相澤さんは「浅草の周辺から徐々に設置を増やしていきたい」と先を見据える。観光地だけでなく、住宅地も想定しているといい、肉ガチャ自販機は「(市場が未開拓で競合がない)ブルーオーシャン。頑張っていきたい」と力強く語った。

 栃木県内では、道の駅思川と相沢商店の店舗前に肉ガチャの自販機がある。

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 交流サイト(SNS)で「肉ガチャ」が話題となっている。小山市内に設置されている肉の自動販売機には、2千円を投入すると黒毛和牛の冷凍肉がランダムで出てくる肉ガチャが含まれている。いったいどんな人が購入しているのか。設置者の狙いとは何か。現場で取材した。

 小山市内で肉ガチャを楽しめる自販機は、食肉専門店の相沢商店(小山市宮本町3丁目)の店舗前と、道の駅思川(小山市下国府塚)の2カ所にある。二つとも相沢商店が設置した。

 肉ガチャをX(旧ツイッター)で知った記者は、9月のとある週末、家族連れでにぎわう道の駅思川を訪れた。

「肉ガチャ」に挑戦できる自動販売機=小山市下国府塚
「肉ガチャ」に挑戦できる自動販売機=小山市下国府塚

ラインアップの一つ

 相沢商店によると、自販機では5種類の肉を販売している。1パック2千円の「ヤキニク」や4千円の「サーロイン」、1万円の「シャトーブリアン」などを選んで購入することができる。

 ラインアップの一つが「A5黒毛和牛ガチャ」だ。1回2千円で、「何が出るかは本日の運次第」と書かれてある。自販機にはサーロインやヒレ、シャトーブリアンなどの写真が表示されていて、「もしかしたらシャトーブリアンが出るかも…」と、つい自分の運を試したくなってしまう。

 そんなことを考えていたら、自販機の前でベビーカーを押す夫婦が足を止めた。笑顔で話しながら、買うのを熟考している様子だった。意を決したように肉ガチャを購入したので記者は声をかけてみた。