【宇都宮】宇都宮商業高商業科の生徒3人はこのほど、難関の税理士試験科目の一つ「簿記論」にそろって合格した。同校生徒の合格は2年ぶりで、3人同時は同校初の快挙。同校では「後輩の励みや刺激になるし、支援してくれているOBも地域を担う優秀な人材ができたと喜んでいる」としている。
合格したのは3年石川智博(いしかわともひろ)さん(17)、2年橋本航輔(はしもとこうすけ)さん(17)、同早瀬幸太朗(はやせこうたろう)さん(16)。
税理士になるには簿記論を含めた11ある試験科目中、5科目の合格が必要。8月に行われた今年の簿記論の試験は全国で1万7711人受験し、3076人が合格、合格率は17・4%。県内高校生で合格したのは同校の3人のみだった。
3人とも、簿記論には初挑戦。石川さんと橋本さんは既に、高度な会計知識を求められる日本商工会議所(日商)の簿記1級と全国経理教育協会の簿記能力検定上級を取得している。石川さんは「(問題を解く)時間に追われてしまって合格できるか不安だった」。橋本さんは「問題の量が多く日商簿記とは違う。自己採点でギリギリだったのでうれしい」。早瀬さんは「他の試験には受かっていないので、合格にはびっくり。基礎をしっかり勉強した成果です」と喜んだ。
3人とも卒業後は大学進学を希望。「企業会計のエキスパートになり、社会経済に貢献できる人材になりたい」と口をそろえた。