【日光】市の友好都市である東京都板橋区の区立文化会館で1日、日光杉を使って木の絵本を制作するワークショップが開かれた。開催に当たっては、市内の製材企業でつくる日光木材業協同組合が木材提供で協力。区内外から参加した子どもから大人まで、日光杉の手触りや香りを感じつつ、好きな絵を描き世界に一つだけの木の絵本を作り上げた。
同区文化・国際交流財団が主催。印刷・製本会社が多く、国際的な絵本ネットワークがある美術館もある同区は「絵本のまち板橋」を推進しており、同財団が「通常の紙の絵本づくりではなく五感を使ったイベントを」と企画。ワークショップ講師も務めた平紋デザイン事務所(同区)を通じて同組合に協力を打診し、実現した。
1日開かれたワークショップには区内外の未就学児から60歳代まで約40人が参加。日光杉の無垢(むく)材にカラフルな紙やビーズを貼ったり、ペンを使ったりして食べ物や動物などを熱心に描いていた。後日、レーザーカッターでタイトルなどを印字した表紙を取り付け、4月下旬に絵本を紹介するPOPづくりワークショップも行った後、同会館内での展示も予定している。
同区在住の八巻花音(やまきかのん)ちゃん(5)は「木にお絵かきしたのは初めて。好きなキャラクターを描けて楽しかった」と笑顔。同財団の大橋薫(おおはしかおる)事務局長(49)は「絵本のまち板橋と日光の交流を感じられる機会になった」と振り返った。
日光杉を製材、提供した同組合加盟の田村材木店(豊田)の田村文宏(たむらふみひろ)社長(54)はワークショップには参加できなかったものの、「日光杉は高品質で、環境負荷低減を証明する森林認証を得ている。板橋区などとの関係を深め、幅広くPRしていきたい」と話した。