語り部として震災や避難生活の体験を伝える佐々木さん=6日午後、福島県双葉町

 宇都宮市在住の佐々木茂夫(ささきしげお)さん(72)は月に2回ほど、車で約3時間かけて通う場所がある。福島県双葉町の「東日本大震災・原子力災害伝承館」。東京電力福島第1原発事故により避難生活を送り、4年半前から語り部を続けている。原発事故で自宅がある同県浪江町を追われた。古里が放射能で汚染され、悔しさや怒りがあった。ただ、今は「経験したことを未来のために語るのが役目」と強く感じる。震災の教訓、支援者への感謝-。さまざまな思いを抱え被災地で発信している。

 同原発から約4キロの場所にある伝承館の2階の一室。