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 栃木県小山市下生井の渡良瀬遊水地で9日、3月28日にふ化したと推定される国の特別天然記念物コウノトリのひな3羽に、個体識別の足輪を装着する作業が行われた。ひなの体重はそれぞれ4・3キロ、3・8キロ、4・6キロ。

足輪装着などのため、コウノトリのひな(中央)を捕獲する作業員ら=9日午前9時55分、小山市下生井(超望遠レンズ使用)
足輪装着などのため、コウノトリのひな(中央)を捕獲する作業員ら=9日午前9時55分、小山市下生井(超望遠レンズ使用)

 作業はコウノトリの飼育施設などで構成する組織「コウノトリの個体群管理に関する機関・施設間パネル(IPPM-OWS)」の協力のもと、市と渡良瀬遊水地コウノトリ・トキ定着推進協議会が実施。飼育員や獣医師ら19人で行った。

足輪を装着するなどして、人工巣塔に戻されるコウノトリのひな=9日午前11時、小山市下生井(小山市提供)
足輪を装着するなどして、人工巣塔に戻されるコウノトリのひな=9日午前11時、小山市下生井(小山市提供)

 高所作業車で高さ12・5メートルの人工巣塔に近寄り、親鳥が離れたのを待って、ひなを網で捕獲。地上に降ろして体重測定や足輪装着、血液や羽毛の検体採取などを行い、巣に返した。巣からはふ化しなかった卵が一つ見つかったという。

コウノトリのひなを入れた段ボール(中央下)を高所作業車から降ろす作業員ら
コウノトリのひなを入れた段ボール(中央下)を高所作業車から降ろす作業員ら

 作業に当たった兵庫県立コウノトリの郷公園主任研究員の布野隆之(ふのたかゆき)さん(48)は「3羽ともすくすく育って元気。約1カ月後には巣立つと思うので、温かく見守ってほしい」と話した。

テントの中でコウノトリのひなに足輪装着などをする作業員ら
テントの中でコウノトリのひなに足輪装着などをする作業員ら

 5月下旬には命名式が行われる予定。人工巣塔から約400メートル離れた生井桜づつみ堤防上では市民ら約40人が作業を見守った。