吉沢さん(左)の指導で糸を巻く受講生

 【真岡】県伝統工芸品・真岡木綿の普及振興組織「真岡木綿工房」が3年ぶりに開く織姫(おりこ)(織り子)の養成講座で、市民2人の受講が決まり、11日に開講式が行われた。2人は真岡鉄道真岡駅の駅舎4階へ移転したばかりの養成工房で1年間、製作技術を学ぶ。

 養成工房はこれまで旧東沼小にあったが、校舎利活用事業の進展で移転が必要となり、市の協力で4月に同駅舎へ引っ越した。拠点が定まって、中断していた講座の再開にこぎ着けた。

 定員3人程度とした17期目の講座は市内の40代女性2人が受講し、この日の開講式に出席。真岡木綿工房を支える真岡商工会議所の加藤敦美(かとうあつみ)専務理事から「真岡木綿を末永く伝承するために力を貸してほしい」と激励を受けた。

 早速の講習で2人は、9期生の織姫吉沢知加子(よしざわちかこ)さん(58)から手ほどきを受け、機織りのための糸を専用器具に巻く作業に当たった。今後、機織りや糸紡ぎ、染色を学び、反物を仕上げるなどしていく。

 受講した並木町3丁目、主婦赤川幸恵(あかがわゆきえ)さん(46)は「器具に触れ伝統の重みを感じる。技術をしっかりと学び、最後までやり遂げたい」と抱負を語った。吉沢さんと、織姫代表の県伝統工芸士花井恵子(はないけいこ)さん(70)は共に「新たな仲間ができてうれしい」と笑顔だった。

(杉浦崇仁)