鈴木賢二の版画絵巻「平和を世界に」の横で平和への思いを語る四女解子さん

 【栃木】市出身の版画家鈴木賢二(すずきけんじ)(1906~87年)が制作した版画絵巻「平和を世界に」が8月4日、広島市で開催される原水爆禁止世界大会の会場で67年ぶりに展示される。日本原水爆被害者団体協議会(被団協)が昨年ノーベル平和賞を受賞し核廃絶への機運が高まることに加え、今年は戦後80年の節目。賢二の四女解子(ときこ)さん(79)=富士見町=は「作品が再び世界大会で展示される意味は大きい。平和を希求した父の思いを次世代へつなぎたい」と願う。

 賢二は東京美術学校(現東京芸術大)在学中に「プロレタリア美術運動」に傾注した。戦後は主に労働者や農民、女性、子どもをモチーフとした版画を制作し、一貫して恒久平和や正義の実現を訴え続けた。