日光市岩崎にある私有林の林道脇広場で6月上旬、石仏とみられる仏像1体が見つかった。高さは約40センチだが、地主の同所、農業男性(49)によると重さは「10キロほどはあるのではないか」というずっしりとしたもの。誰がいつ、どんな意図で置いたのか分からず、関係者に困惑が広がっている。
見つかったのは、県道宇都宮今市線から林道を300メートルほど進んだ先にある広場に設けられたベンチの上。眼前に古賀志山の西端が望める場所だ。同山の山歩き環境保全に取り組んでいるNPO法人「古賀志山を守ろう会」のメンバーが訪れた際に発見したという。
同会の池田正夫(いけだまさお)理事長(87)によると、広場は2015年9月の集中豪雨で大量の土石流が付近を流れる川の両岸を埋め尽くした跡で、その際にスギの枯死木が大量に発生したという。
広場は登山者らの無断駐車が多く、倒木の危険があったことから同会は22年、地主男性の許可を得て枯死木を伐採しベンチとして再利用。石仏が置かれていたベンチも、その際に設置されたものの一つだ。
如来像とみられる石仏には、お供えとしてなのか日本酒も置かれているが、池田理事長は「あるべき場所ではないし、異様な感覚になる」。地主の男性も「寝耳に水。設置であっても投棄であっても、そのままにしては許したことになってしまう。できれば引き取ってほしい」と困惑する。警察や行政に相談するかも含め、頭を悩ませている。