栃木県大田原市の親園交差点に設置されている交通安全旗を持った2体の「アリの人形」が21日までにリニューアルされた。制作から約20年が経過し老朽化していたが、今年3月に下野新聞で紹介されたのを機に大田原交通安全協会親園支部が修繕を計画。地元の親園中生が協力し塗装作業などを行った。黒一色の見た目から青色の制服を着た“アリのお巡りさん”に生まれ変わり、新たな姿で安全運転を呼びかけている。

人形は県道48号線(旧奥州道中)とライスライン親園線が交わる同交差点に設置されている。長年地元で交通安全運動に取り組んだ故溝口実(みぞぐちみのる)さんが約20年前、事故抑止を願って制作した。高さ150センチ、胴回り95センチほど。三つのガスボンベ容器で作られており、黒色に塗られていた。
長年の風雨で塗装が剥がれるなど老朽化が進んでいたが、3月12日付の本紙記事「あなとちプラス」で紹介されたことをきっかけに、同支部がリニューアルを計画。同交差点を通学路として利用する生徒もいる同校に協力を依頼した。
同校文化部が新たなデザインを考案し、6月下旬から塗装作業を実施。体色は警察官の制服をモチーフに青色で統一し、黄色の「交通安全」のたすきをあしらった。もともと名前はなかったが「道を明るく照らし、交通安全を守る」ことを訴えるため、「あかり」「まもる」と名付けた。

再設置を記念する式が17日、同交差点で行われ、生徒や関係者ら約20人が参加した。同支部長の小林栄喜(こばやしえいき)さん(73)は「きれいに塗り直してくれてありがたい。安協の活動を続ける上でも励みになる」と感謝。3年手塚劉斗(てづかりゅうと)さん(15)は「これから長い間、自分たちが塗った人形が設置され続けると思うと感慨深い。交通量が多い場所なのでドライバーには安全運転を心がけてほしい」と話した。