倉松園長(右)の指導で和太鼓に挑戦する日本と海外の子どもたち

 【日光】英会話教育に力を入れる土沢の宝珠保育園が、市内に長期滞在するインバウンド(訪日客)の幼児を受け入れている。米国や香港、台湾の子どもたちが和太鼓演奏など伝統芸能を体験するなど、園児側と双方で異文化に触れる機会となり、日本滞在の新たなスタイルを提案している。

 同園が海外の子どもたちの一時預かりを始めたのは今年3月。これまでにシンガポールやベネズエラなどから30人ほどを受け入れてきた。多い時で7人が通園していた。民泊などを利用し、市内に長期滞在する外国人観光客の子どもたちだ。通園は平均2~3週間ほど。すでに来年の予約も入っているという。

 倉松宗道(くらまつしゅうどう)園長(39)は「受け入れが市全体に広がり、通園しながら国際交流ができれば市民の転出抑制や、転入促進にもつながるのでは」と期待する。

 海外の子どもたちは午前9時から午後4時まで園児と過ごし、礼儀作法や集団行動を学んでいる。倉松園長は「園児たちも自然と英語でコミュニケーションを取れるようになる」とメリットを強調。受け入れによる保育料収入の増加で、スタッフの待遇向上にもつながるという。

 倉松園長は「インバウンド滞在を生かせていないことが市の課題。保育士の待遇も良くなれば、市としても人材確保にもつながるのではないか」と話している。