【茂木】町で唯一現存する県指定無形民俗文化財の伝統行事「河井のささら」が15日、河井の八幡宮(はちまんぐう)と長寿寺で2年ぶりに行われた。一般公開の場となった同寺では、例年より多い約300人が子どもたちの舞を楽しんだ。
河井のささらは約950年前の「後三年の役」にまつわる悲話がルーツ。主人公の姫の霊を慰め、地域の五穀豊穣(ごこくほうじょう)を祈るため、同保存会が奉納している。子どもが舞う獅子舞として県内でも希少な伝統芸能なっている。

躍動感のある舞を披露する子どもたち
今年は3~12歳の11人の子どもたちが役者を務めた。八幡宮での奉納は木立に囲まれた境内が舞台。子どもたちは3匹の獅子を中心に笛の音に合わせ、約30分間、躍動感のある舞を披露した。同寺では厳しい残暑の中、舞う子どもたちの懸命な姿に、敬老の日で集まった地元高齢者や見物客からは拍手が送られた。

獅子を務めた中川小6年青柳璃央(あおやぎりょう)さん(12)は「大きな動作と回るタイミングに気をつけた」と汗をぬぐい、保存会の服部公一(はっとりこういち)会長(77)は「無事終えられてよかった」と安堵(あんど)の表情だった。