門田の自伝「旅愁」は国立国会図書館デジタルコレクションで読め、東京ラプソディも今ではスマートフォンで聴ける

 〽夢の楽園(パラダイス)よ 花の東京…。昭和の歌手藤山一郎(ふじやまいちろう)の戦前のヒット曲「東京ラプソディ」のサビの歌詞だ。作詞家門田(かどた)ゆたか(1907~75年)が歌詞を手がけた名曲だが、実は門田を詩の世界に誘ったのは宇都宮の人物だった。門田の自伝には“宇都宮高OB必見”のエピソードが記されていた。

 門田は福島市出身で早稲田大時代に作詞家西條八十(さいじょうやそ)に師事。作曲家の古賀政男(こがまさお)や古関裕而(こせきゆうじ)、船村徹(ふなむらとおる)らと組んで数々の昭和歌謡曲を生み出し、藤山のほか、岡晴夫(おかはるお)や美空(みそら)ひばりらが歌い上げた。戦前に童謡「大きな古時計」が日本に紹介された当時の日本語歌詞を手がけたのも門田だ。