■プレス空転し劣勢に
岐阜まで駆け付けたサポーターに歓喜を届けることはできなかった。栃木シティは勝てば昇格という大一番で完敗。今矢直城(いまやなおき)監督は「われわれもしっかり準備したが、相手の方がパフォーマンスが良かった」と淡々と総括した。
立ち上がりは一進一退の攻防のように見えた。シティはロングボールを蹴り込んで攻撃を組み立てようとしたが、徐々に相手にボールを支配され、自陣で過ごす時間が長くなった。
得意のハイプレスは空回り。前線からボールを奪いに行っても、中盤の空いたスペースを使われて苦しくなった。いずれも右サイドを崩されて2失点。DF鈴木裕斗(すずきひろと)は「中盤がスライドできていないのに出て行ってしまい、自分のところで数的不利をつくられてしまった」と悔やんだ。
攻撃も停滞した。田中(たなか)パウロ淳一(じゅんいち)とバスケス・バイロンの両ウイングは特に警戒され、ボールを持てば2人がかりでつぶされた。引いて守られた終盤は好機もあったが、試合全体を通して見れば相手が内容では上回った。
ただこの1敗で、積み上げてきたものが消えたわけではない。次節以降も勝利すれば自力で昇格を決められる。次は満員のサポーターが待つホームでの試合だ。ゲームキャプテンのGK相澤(あいざわ)ピーターコアミは「必ずホームで昇格をつかみたい」と前を向いた。
■昇格「栃木で決める」
左ウイングで先発した栃木シティのFW田中(たなか)パウロ淳一(じゅんいち)。「僕がうまくボールを引き出せなかった。裏に一発で抜けるプレーを繰り返して相手をもっと疲れさせないといけなかった」と反省した。
チームを後押ししようと多くのサポーターが岐阜まで駆け付けた。勝利を届けられず「申し訳ない気持ち」と頭を下げた。
ただ試合後は落ち込んだ様子はなく「神様が『栃木で昇格を決めろ』と言っているのだとポジティブに受け止めている」と吹っ切れた表情だった。
栃木シティ・今矢直城(いまやなおき)監督の話
入りは悪くなかったが、徐々に岐阜にコントロールされた。もちろんプレッシャーはあったと思う。非常に悔しいが、切り替えて(次の)ホームでしっかり勝って昇格を決めたい。
岐阜・石丸清隆(いしまるきよたか)監督の話
相手の前の選手は個人の能力が高いが、うまくアジャストしていたことがポイントだった。少し押し込まれる時間もあったがよく耐えた。最後までしっかり集中力を保ちながらやれた。
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