児童に戦争の悲惨さや平和への思いを語る若山さん

 【宇都宮】国立広島原爆死没者追悼平和祈念館(広島市)から派遣された「被爆体験伝承者」の講話が23日、五代小で行われた。広島県呉市在住で被爆2世の若山隆英(わかやまたかひで)さん(78)の話に、6年生約100人が耳を傾けた。

 講話は、宇都宮市平和親善大使広島派遣事業実行委員会が毎年希望する市内の小中学校で実施。今年は小学校5校で行われる。

 両親が広島市内で被爆し、被爆の実相を伝える活動を10年間続けている若山さん。この日は9歳で被爆し昨年亡くなった御堂義之(みどうよしゆき)さんの証言を基に原爆投下当日の同市内の様子や、核廃絶に向けた御堂さんのメッセージなどを紹介した。

 熱心にメモを取る児童には「戦争は飾られた美しい言葉で始まるが、その結果は悲惨なもの」と静かに語りかけ、「平和は与えてくれるものではなく、自分たちで追い求めていかなければならない」とも訴えていた。

 野口苺花(のぐちもか)さん(12)は「原爆について知らないことばかり。すごく怖いと感じた。戦争のない世界にしたい」、フェルナンド・シェヌルカさん(12)は「戦争ではなく、言論で解決するべきだ。戦争をなくし、全ての人が人間らしい生活を送れるようになればいい」と話した。