足利市の渡良瀬橋に架かる中橋の架け替え工事の起工式(国、県、市主催)が13日、中橋の下流左岸の河川敷で行われた。広瀬昌由(ひろせまさよし)国土交通省関東地方整備局長、福田富一(ふくだとみかず)知事、早川尚秀(はやかわなおひで)市長や来賓の茂木敏充(もてぎとしみつ)自民党幹事長ら約50人が出席。工事の安全と早期完成を期してくわ入れを行った。
現在の中橋の取り付け部は両岸とも堤防より2~3メートル低いため、付近は国の重要水防箇所の中でも特に危険度が高いAランクに位置づけられ、堤防のかさ上げと架け替えが急務となっている。工期は2027年度末までの予定で、総工費は107億円の見込み。
本年度は市街地の原風景となっている現在の3連アーチを10メートル下流に移設し、歩行者・自転車専用橋として残すため、新たな橋脚の設置を行う。
移設・架け替えに伴い、中橋は24年秋から完成まで車両通行止めとなる。移設後に架け替えられる中橋は全長285メートル。北側に全長134メートルの陸橋を新設して両毛線をまたぎ、通2丁目交差点に接続する。
式辞で福田知事は「治水上の課題や渋滞の解消、歩道の整備に向け、安全で円滑な進捗(しんちょく)に努力したい」と述べた。公共土木工事で起工式が行われるのは異例で、課題解消に向けた主催者の意気込みを示した形だ。