下野新聞社と西日本新聞社が合同で実施したウェブアンケート「皆さん、イチゴ大好きですか?」。皆さまからいただいた回答からは、イチゴへの熱い思いが伝わってきました。自由記述欄には、愛するイチゴの条件やちょっと変わった味わい方、産地へのエールなどさまざまなご意見を寄せていただきましたので、ご紹介します。イチゴの沼から抜け出せなくなること間違いなしです。

♡やっぱり「甘くて大きい」

 今回、1386人の方にご協力をいただいたアンケート。北は北海道、南は沖縄まで…、どころか、中国やマレーシアにお住まいの方にも回答していただきました。うれしい限りです。多くの方が丁寧に記述欄を埋めてくださり、集計欄は宝の山となりました。

 まずは「どのような特性のイチゴが好きですか」という設問について、回答欄にはどんな言葉が多かったのか、単語出現頻度を調べてみました。

 助詞など単独では意味をなさない単語を除き、特に多かったのは「甘」(372回)や「甘い」(306回)という言葉です。「やはり甘さだな」と思いきや、「酸味」も288回登場しました。

甘い大粒はイチゴ狩りでも大人気
甘い大粒はイチゴ狩りでも大人気

 記述欄を見てみると、「甘くて大きいイチゴ」(栃木県、50代医療関係女性)という回答がやはり多かったのですが、一方で「甘みと酸味のバランスのいいもの」(宇都宮市、30代農業パート女性)といった回答も目立ちました。甘くて酸味もある品種と言えば、とちおとめと、あまおう、ですよね。

 「大きく」(166回)「大きい」(91回)というワードも高い頻度で登場しました。でも「大き過ぎず、小さ過ぎず」(宇都宮市、20代会社員女性)がお好みの方も。なるほど、大きさも味も好みは人それぞれですね。

 それぞれの産地が開発を競い、多品種がせめぎ合う現代。連載で「好みのイチゴが選べる時代になった」という市場関係者の声を紹介しましたが、イチゴファンにとって、今は良い時代と言えるのかもしれません。

 他にも「値段」(101回)、「手頃」(36回)という価格にまつわる言葉も散見されました。「毎日食べられる値段」という回答もあり、手頃感を求めるのは、「もっと食べたい」の表れなのかもしれません。もちろん、高級志向の方もおり、「(好みなら)値段は問いません」といった剛気な答えもありました。

 

♡懐かしい「ピンクの牛乳」

 イチゴを使った好きな食べ物を尋ねると、生食が断トツの人気でした。2位はショートケーキ、3位はイチゴ大福。居住地別でもこの上位3品は不動でした。

 でも、自由記述欄にはほかにも、魅力的な食べ方がたくさんありました。

 「イチゴに牛乳と砂糖をかけてつぶして食べる。最後にピンクになった牛乳を飲む」(福岡県糸島市、50代パート女性)。昔懐かしい食べ方ですね。取材班の間でも「ピンクの牛乳」に反応し、「それそれ!」という共感が広がりました。

栃木県名物「レモン牛乳」実はイチゴバージョンもある
栃木県名物「レモン牛乳」実はイチゴバージョンもある

 イチゴをそのまま「凍らせる派」も結構いることが分かりました。「安い時期に買い込み凍らせて、夏にアイスがわりにそのまま食べる」(那須塩原市、50代会社員女性)。国産イチゴがシーズン以外でもおいしく味わえそうです。

 お酒のおともにする“大人”な楽しみ方もありました。「冷凍してクラッシュして、シャンパンまたは白ワインと」(福岡市、30代会社員男性)。どんな味わいなのでしょう。試してみたくなりますね。「イチゴのはちみつブランデー漬け」(東京都墨田区、会社員30代女性)というおしゃれな回答もありました。

 

♡「夢のコラボ」期待も

 生産量全国1位の栃木県と、産出額で1位の福岡県。二大産地に期待したいことも尋ねたところ、「これからもおいしいイチゴを期待しています」「農家の苦労が報われてほしい」など温かいエールをたくさんいただきました。鹿沼市、50代会社員男性からは「栃木と福岡の合同でイチゴを開発してほしい」というご意見も。実現すれば、夢のコラボレーションですね!

「イチゴ王国」を名乗る栃木と、あまおうを「王様」と称する福岡。二つの“王”の力を合わせたら、どんなイチゴができるだろう
「イチゴ王国」を名乗る栃木と、あまおうを「王様」と称する福岡。二つの“王”の力を合わせたら、どんなイチゴができるだろう

 「栃木県は1位であり続けてほしい」という地元への期待も少なくありません。一方で、「もっと安く」「もっとおいしく」「研究に研究を重ねたできたイチゴを海外に流出させないで」といった要望もありました。

 「佐賀県も忘れないで」(宇都宮市、30代公務員女性)と、他産地へのエールも。はい、忘れていません。佐賀といえば「いちごさん」ですよね。

 上位の産出県が競い合って、一つでも多く特色のある品種が生まれるからこそ、イチゴ市場は成長できる。取材を通じて得られた気づきです。

 イチゴの生産農家の皆さんからもご意見をいただきました。「農家が続けられるような環境の整備。単価上昇の努力や高設の導入推進」(芳賀町、40代男性)。連載ではイチゴ栽培の過酷さもお伝えしました。かがむことが多い収穫や植え付けと比べ、負担の少ない姿勢で作業できる高設栽培(病気も入りにくいそうです)の推進は、必要だと感じています。

 栃木、福岡の両県が「お互い切磋琢磨(せっさたくま)して素晴らしいイチゴを生産して下さい!」。東京都豊島区、50代会社員女性からのエールは、私たち東西イチゴ取材班の願いとも重なります。

 これからも2大産地を後押しできるよう、作り、育て、守るための取り組みを追い続けていきます。

⇒ウェブアンケートの結果はこちらから