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南極での調査研究、生活に欠かせない電気。発電機の説明をする電気隊員=2021年12月、南極・昭和基地

昭和基地周辺で働く雪上車などさまざまな車=2022年2月、南極上空

昭和基地と宇都宮大を結んだ授業で基地内での電気の作り方や活用について話す設営主任の高木隊員(左)と渡辺先生=2022年2月、南極・昭和基地

南極での調査研究、生活に欠かせない電気。発電機の説明をする電気隊員=2021年12月、南極・昭和基地 昭和基地周辺で働く雪上車などさまざまな車=2022年2月、南極上空 昭和基地と宇都宮大を結んだ授業で基地内での電気の作り方や活用について話す設営主任の高木隊員(左)と渡辺先生=2022年2月、南極・昭和基地

 今回は昭和基地(きち)で設営(せつえい)作業を行っている機械(きかい)チームの隊員(たいいん)を紹介(しょうかい)します。

 人が南極(なんきょく)で観測(かんそく)をしたり、生活をしたりしていくためには、電気を作ることが欠(か)かせません。昭和基地では年に一回、南極観測船「しらせ」で日本から燃料(ねんりょう)を輸送(ゆそう)し、その燃料を使って発電機(はつでんき)で電気を作っています。

 昭和基地には2台の発電用エンジンがあり、500時間ごとに交互(こうご)に運転しています。1時間当たり240キロワットの発電をすることができ、基地全体の電気を賄(まかな)っています。まさに昭和基地の心臓(しんぞう)部といえる場所です。

 発電を担当する高木佑輔(たかぎゆうすけ)隊員と発電機をメンテナンスする柳澤聡(やなぎさわさとし)隊員に話を聞きました。

 昭和基地にある発電機用エンジンは、2台のエンジンが交互にずっと稼働(かどう)しています。正常(せいじょう)に発電できるようにするためには、およそ3年に1回、エンジンを分解(ぶんかい)して点検(てんけん)を行う必要(ひつよう)があります。昭和基地にあるエンジンは、これまで10回も分解して点検を行った、年季(ねんき)の入ったエンジンです。

 この発電用エンジンは、一度分解してメンテナンスするのに2週間くらいかかります。作業中は発電室の中はエンジンの熱(ねつ)で温度が35度くらいになり、大きな音がずっと鳴っています。とても暑く、耳せんをしながら行う大変な作業です。また、日本国内のように失敗(しっぱい)してもすぐ部品が届(とど)くわけではないので、より慎重(しんちょう)な作業が必要となってきます。

 昭和基地ではエネルギーを無駄(むだ)にしないために、発電で出た排気(はいき)ガスを基地の温水や暖房(だんぼう)に使っています。もし、この排熱(はいねつ)を利用しなかったら暖房用のボイラーを新たに設置(せっち)する必要があり、化石燃料を消費(しょうひ)することになるためです。

 このように、環境(かんきょう)に配慮(はいりょ)しながらも、人が観測(かんそく)や生活をするために、設営隊員が観測隊員を支(ささ)え、南極観測は成(な)り立(た)っています。

 ほかにも、昭和基地の働(はたら)く車や雪上車を管理(かんり)している森戸毅(もりとつよし)隊員(本県出身)と吉澤悠生(よしざわはるき)隊員のインタビューを動画にしていますので、ご覧(らん)ください。