今季最強の寒気が流れ込んだことに伴う降雪や強風の影響などで、県内では24日夜から25日にかけ、建物の屋根が損傷したり、木が倒れたりする被害が発生した。宇都宮地方気象台は那須塩原、日光両市と那須町に大雪警報を出した。那須塩原市では「石川スポーツグラウンドくろいそ武道館」の屋根が大きくはがれ落ちたほか、同日午前9時現在、降雪によるスリップ事故が71件あった。
25日の県内は各地で朝から冷え込んだ。宇都宮地方気象台によると、宇都宮で午前7時半に氷点下5・1度となるなど、全14観測地点中計8地点で今季の最低気温を更新した。那須高原は同11・8度となり、1月の観測史上最低となった。
JR宇都宮駅前の歩道にも、うっすら雪が積もった。午前7時ごろ、駅西口のバスターミナルでは、バス待ちの列を待つ通勤、通学者らが両手をポケットに突っ込み、険しい表情で寒さに耐えていた。宇都宮商業高1年古川結南(こがわゆな)さん(16)「5枚重ね着しても寒い」と、首をすくめマフラーに顔を埋めていた。
JR宇都宮駅発の路線バスや宇都宮線には、降雪や低温による目立った交通の乱れは見られなかった。
一方、日光線では午前7時ごろ、日光-今市駅間で下り普通列車の車輪が空転するトラブルが発生した。全線で運転を見合わせ、午後1時ごろに復旧した。降雪によるレールの凍結が原因とみられる。
県警交通企画課のまとめで、24日正午~25日午前9時までに、雪に関連する71件の物件事故があり、冬用タイヤなど滑り止め未装着の事案は21件だった。
県の25日午前11時現在のまとめで、東北自動車道と北関東自動車道の一部で速度規制が行われ、宇都宮市や日光市、茂木町の国道や県道で倒木や車両事故による通行止めが発生した。
ネクスコ東日本関東支社は25日、東北自動車道宇都宮インターチェンジ(IC)以北で、冬用タイヤ装着を義務づける規制を敷いた。スタッフが宇都宮IC以北の各IC手前で通行車両を止め、スタッドレスタイヤなどの冬用タイヤを未装着のドライバーには引き返すように促した。
矢板IC以北で規制していたが、宇都宮ICまで延長したという。
那須塩原、大田原、日光、さくら各市などでは積雪があった。道路に雪が積もった日光市の世界遺産「日光の社寺」周辺では車がライトをつけ、ゆっくりと進んでいた。観光客の姿はまばらだった。
県教委の午前11時現在のまとめによると、日光明峰、那須清峰、今市工の3県立高が休校。大田原女子、黒磯南、鹿沼商工の3校が始業時間を遅らせた。始業を遅らせた小中学校もある。