国指定重要文化財の「太刀(銘、成高)」

初公開されたなぎなた

国指定重要文化財の「太刀(銘、成高)」 初公開されたなぎなた

 【大田原】市那須与一(なすのよいち)伝承館は特別展示会「那須与一とは-徳川吉宗(とくがわよしむね)も見た那須家の宝物-」を南金丸の同館で開いている。徳川8代将軍吉宗が那須与一ゆかりの宝物を見たというエピソードや江戸時代から伝わる那須家の宝物が紹介されている。同館の重藤智彬(しげとうともあき)学芸員(31)は「宝物の歴史と由緒を味わってほしい」と来館を呼びかけている。3月21日まで。

 那須家は江戸時代に不法養子の罪で改易されたが、「那須与一の末裔(まつえい)」ということから再興され、現在も名を残している。同館は那須家が守り抜いてきた計718点の宝物を寄託されている。

 特別展示会は、那須与一が扇の的を射た屋島合戦の時期(旧暦2月18日、新暦3月20日ごろ)に合わせて企画した。1727年に吉宗が宝物を見た経緯を記録した史料とその内容を意訳したパネルがあり、吉宗の感想や当時の当主那須資隣(すけちか)の行動が詳細に紹介されている。

 吉宗が見た宝物としては、与一が「扇の的」の際に身に着けていたとされる国指定重要文化財の「太刀(銘、成高(しげたか))」と「綾包太刀拵(あやづつみたちこしらえ)」、1193年に源頼朝が那須野が原で巻き狩りをした際、食事を献上した功績として那須光資(みつすけ)に贈ったと伝わる「源氏白旗」を展示。そのほか、「那須家資料」に唯一残っている「なぎなた」と、宝物の一覧をまとめた「覚(道具類書上)」を初公開している。

 午前9時〜午後5時(月曜休館)。観覧料大人300円(中学生以下無料)。(問)同館0287・20・0220。