顕彰碑の説明板に刻まれた点字を読む参加者

 【足利】盲人教育の調査研究に取り組む「日本盲教育史研究会」(京都府)のミニ研修会が27日、市生涯学習センターなどで開かれた。参加者はフィールドワークと講話で、県立盲学校の初代校長を務めた澤田正好(さわだまさよし)(1894~1965年)や両毛地域の盲人教育について学んだ。

 同研究会は全国に180人ほどの会員がいる。研修会には県外在住の会員や地元住民、約50人が参加した。

 澤田は後に県立盲学校となる足利盲学校の創設者で、初代校長を務めた。33年には視覚障害者の卓球「サウンドテーブルテニス(STT)」を考案するなど、盲人のために力を尽くした。

 一行は、県立足利盲学校の旧校舎(相生町)や、法玄寺(巴町)に昨年建てられた澤田の顕彰碑を訪れた。顕彰碑の説明板には澤田の功績が点字で刻まれており、指でなぞりながら感慨深げに読む人の姿もみられた。

 その後、市文化財愛護協会理事の斎藤憲司(さいとうけんじ)さんと群馬県立盲学校の元教諭香取俊光(かとりとしみつ)さんが講話した。「澤田正好と盲教育」をテーマに話した斎藤さんは「日本の学校制度、選挙制度を変えたことが最大の偉業だ」と澤田をたたえた。香取さんは本県と群馬県の盲学校の発展の違いや、盲教育に関する資料を残すことの意義を伝えた。