栃木県は7日、自動運転バスの実証実験を今秋、奥日光で実施することを明らかにした。湿地帯を巡る低公害バスの路線を利用し、有償で運行する。樹木が生い茂るルートで測位が困難になるため、路面に特別な施工を施すなどして実施する。
同日の県無人自動運転移動サービス推進協議会で報告した。2025年度の自動運転バス本格運行を目指し県は21〜23年度に10市町で実証実験を行う計画で、同市で8カ所目となる。
奥日光での期間は9月21日〜10月4日。走行ルートは日光国立公園内の赤沼車庫〜千手ケ浜の9・3キロ。ルートの大部分を占め、許可車両のみ通行可能な市道1002号線は樹木が茂り、走行ルートを判断するための衛星測位システム(GNSS)による測位が難しいという。
このため、ガイドとなるようセンサーで検知可能な高反射塗料を路面に施工。停留所や急カーブ付近には自動運転を支援する磁気マーカを設置し、位置情報を補正する。
電気自動車を使い、乗車人数は緊急時に手動介入するドライバーなどを含め17人。1日5往復し、運賃は片道大人500円、小児250円。これまでの実証実験で営業運行路線を利用し、有償とするのは初めて。