入江観「南仏の農家」(1963年、個人蔵・小杉放菴記念日光美術館寄託)

笠井誠一「ヴァイオリンと壺」(1960年、名古屋画廊蔵)

入江観「南仏の農家」(1963年、個人蔵・小杉放菴記念日光美術館寄託) 笠井誠一「ヴァイオリンと壺」(1960年、名古屋画廊蔵)

 小杉放菴(こすぎほうあん)記念日光美術館で16日、企画展「新たな時代のエトランゼ-パリへ渡った日本人画家たち 1950~70s-」(同館、下野新聞社など主催)が開幕する。渡航がまだ難しかった時代、本場の美術を学ぼうと渡仏した日光市出身の入江観(いりえかん)さん(88)ら7人の洋画家を取り上げ、滞仏作をその前後の作品とともに展覧。パリが彼らに与えた影響を探りながら、現代洋画史の再検証を試みる。

 出品作家は、1962年にフランス政府給費留学生として、国立高等美術学校で学んだ入江さんのほか、野見山暁治(のみやまぎょうじ)さん、赤堀尚(あかほりなおし)さん、笠井誠一(かさいせいいち)さん、植田寛治(うえだかんじ)さん、進藤蕃(しんどうしげる)さん、小杉小二郎(こすぎこじろう)さん。いずれも50年代から70年代にかけてパリを訪れ洋画を学んだ。