登山道をパトロールする那須塩原署員ら=19日午後1時55分、那須町湯本

 紅葉シーズンを迎え登山者の遭難事故を防ごうと、那須塩原署などは19日、那須町湯本の那須岳周辺で広報活動と山岳パトロールを行い、登山計画書の提出や装備品、天候の確認など事前準備の徹底を呼びかけた。今月上旬には朝日岳の登山道付近で男女4人が死亡する遭難事故が発生。同署員らは遭難現場なども回り、登山道の確認などを行った。

 19日朝、那須ロープウェイ山麓駅周辺。広報活動には同署と那須山岳救助隊から13人が参加した。「登山計画書の提出をお願いします」などと登山者らに声をかけ、チラシを手渡した。

 山岳パトロールは同9時半ごろ、那須ロープウェイ山頂駅を出発し那須岳に向かった。その後、遭難事故で7日に遺体が見つかった現場を通り朝日岳に登った。登山道の設備を確認したほか、同署員が登山経験を積み有事の対応に備えた。

 登山に訪れていた福島県石川町、社会福祉法人理事長田口和憲(たぐちかずのり)さん(71)は「この前の遭難事故を受け、装備や食料品などの準備をより整えて来た」と話した。同署の斎藤康之(さいとうやすゆき)地域課長は「那須岳は天気が急変すると危険で、遭難してもすぐに救助できるとは限らない。日帰りでも最悪の事態を想定した装備をお願いしたい」と呼びかけた。