佐野産の藍を使って藍染めを体験する児童

 【佐野】あそ野学園義務教育学校の5年生33人が20日、閑馬町の藍染め工房「大青(たいせい)」で市産の藍を使った藍染めを体験した。

 かつて藍産業が盛んだった市では、化学藍導入により一度生産が途絶えたものの、市民有志によって2014年に藍草栽培が復活。この日は市内で藍の原料「すくも」を生産する小竹利美(こたけとしみ)さん(72)や同工房のスタッフ清水久美子(しみずくみこ)さん(59)らが講師を務めた。

 児童たちは白いハンカチを縛ったり、輪ゴムを使ったりして思い思いの模様をつけた後、藍液に浸して染色。さまざまな工程を経て鮮やかな青に染まったハンカチに「すごい」「きれい」と喜ぶ様子が見られた。

 初めて藍染めを体験したという藤井絆花(ふじいほだか)さん(10)は「黒い色から青に染まったのが不思議で驚いた」と振り返る。小島漱介(こじまそうすけ)君(11)は「うまくできた。百点満点中140点ぐらいの出来になった」と完成したハンカチをうれしそうに掲げた。

 小竹さんは「世界に一つだけのハンカチを大切にして、少しでも佐野の藍について知ってもらえたら」と話した。