【宇都宮】西下ケ橋地区で、豊作を願う秋の伝統行事「ぼうじぼ」が29日、24年ぶりに復活し、子どもたちの元気な声が集落に響いた。
同地区では児童数の減少で1999年を最後に途絶えていた。同地区育成会と住民有志が、新型コロナウイルス禍で希薄化が進んだ地域の交流を活性化させようと企画した。
子どもたちは22日に長さ約60センチの棒状の「ぼうじぼ(わら鉄砲)」を住民らと手作りして臨んだ。
行事当日は午後3時から、子ども24人が2班に分かれて16戸を回り、豊年を祈願した。家の玄関先に並んで「ぼうじぼ、ぼうじぼ、大麦とれろ、小麦とれろ、下ケ橋みんな幸せに」などと声を合わせ、ぼうじぼを勢いよく地面にたたきつけた。地面をたたく動作は、農作物に害を及ぼすモグラやネズミを追い払うことに由来している。
回り終えた子どもたちは同地区の市河内農村体験交流館に集合し、各家でもらったお菓子を分け合い喜んでいた。白沢小3年鹿内楠心(しかないなこ)さん(8)は「ぼうじぼ作りは難しかったけど、大きな声で豊作を祈って楽しかった」と話した。