稚魚を放流する参加者

サケの稚魚

稚魚を放流する参加者 サケの稚魚

 【足利】渡良瀬川で近年、天然遡上(そじょう)するサケの数が激減している。渡良瀬漁業協同組合によると、最盛期の2008年ごろは数千匹の遡上を確認していたが、5年ほど前から極端に減少し、昨年は過去最低の5、6匹だったという。漁協は「このままでは絶滅してしまう」と危機感を募らせ、24日に中川町の河川敷で稚魚約1万匹を放流した。組合員たちは「ぜひ戻ってきてほしい」と、稚魚が元気に泳ぐ川面を見つめていた。

 「かつてはサケの死骸が川を埋め尽くした。『臭い』と苦情が寄せられるぐらいだった」。組合員たちは往時を懐かしむ。

 漁協によると、2019年に突然、例年の5分の1程度まで減少し、21年には10分の1程度となった。以降も同様の状況が続いている。