「献茶式」に臨む表千家の三木町宗匠

 【日光】山内の世界遺産・日光東照宮で9日、茶道表千家同門会県支部(船田元(ふなだはじめ)支部長)による伝統の「献茶式」が開かれた。

 日光東照宮では茶道に親しみ、その文化を普及させた徳川家康(とくがわいえやす)の遺徳をしのぶため、表千家と裏千家が毎年交代で献茶式を行っている。2020年以降、新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止や規模縮小していたため、コロナ禍前と同様に実施するのは表千家として18年以来、6年ぶりとなった。

 午前10時半ごろから本社拝殿で行われた献茶式には茶道関係者ら約150人が参列。厳粛な雰囲気の中、表千家の三木町宣行(みきまちのぶゆき)宗匠が優雅に茶をたて、神前に供える姿に見入っていた。また客殿では三つの茶席が設けられ、約450人が世界遺産での一服を楽しんだ。

 船田支部長は「たくさんの同門会の皆さんが参加し、コロナ禍前に戻る形で行うことができた。大変喜ばしいと同時にほっとした思いだ」と話した。