お札を湖面に流す参列者たち

 日光市山内の世界遺産・日光山輪王寺は18日、奥日光で不慮の死を遂げた人たちなどの冥福を祈る仏事「地蔵流し」を中禅寺湖で行った。

 観音菩薩(ぼさつ)の縁日に合わせた大法要の一環。同寺の別院・中禅寺(立木観音)で慰霊法要、護摩祈願が営まれた後、参列した県内外の信徒や遺族ら約250人が遊覧船に乗船した。

 船が中禅寺湖の上野島など霊場を回る中、船内では僧侶による読経が響いた。強い雨が降る中、参列者はデッキから水に溶ける地蔵菩薩のお札を湖面に流した後、じっと手を合わせて故人をしのんだ。

 前橋市の主婦関根恒子(せきねつねこ)さん(77)は夫の十三回忌で訪れ、「戒名を書いたお札を湖面に流しました。良い供養になり、主人もとても喜んでいると思う」と話していた。