【足利】早川尚秀(はやかわなおひで)市長は21日、市出身の書家・詩人相田(あいだ)みつを(1924~91年)の生誕100年を記念して実施する事業の概要を発表した。市美術館で7月13日~9月1日に過去最大規模の展覧会を開くほか、史跡足利学校や足利商工会議所などでも作品を展示する。代表作「にんげんだもの」など全体で約160点強となる見通し。うちわ(3万枚)配布や市内の各店舗で「のぼり旗」の掲出なども行い、期間中は街中が「みつを一色」となる。
みつをは今年の5月20日、生誕100年を迎えた。記念事業は郷土の偉人の魅力を市内外に発信し、顕彰することが狙い。市や足利商議所、市観光協会などで構成する実行委員会が主催する。「子どもたちに作品を味わってもらおう」と、夏休み期間に合わせた。
メインは市美術館で開催する「相田みつを展-いのちを見つめることば-」。美術館ではこれまで、没後10年の02年と没後20年の12年、美術館の開館20年を記念した14年に展覧会を開催してきた。今回は「しんじつだけが魂をうつ」といった名作から隠れた作品まで約120点を展示し、足跡をたどる。入館料は一般が千円で、中学生以下は無料。
足利学校ではみつをのろうけつ染めや、みつをに影響を与えた高福寺の武井哲應(たけいてつお)老師の書なども披露する。ほかにも足利商議所ギャラリーや足利まちなか遊学館、民間の店舗の店先でも展示をする。個人蔵の珍しい初期作品も公開されるという。
おもてなし事業として、マグカップなど関連商品を販売するほか、東京発着の旅行ツアーを企画している。市内小中学校では、みつをの作品を教材とした授業を展開する。早川市長は「心の癒やしや、明日を生きる糧になる作品を多くの人に見てもらいたい」と呼びかけた。